
真琴がいなくなって数ヶ月…。
「はあ…はあ…真琴…」
祐一の喘ぎ声が聞こえる。
愛しい人がいないと言う事実は心はもちろんの事、同時に身体の方も蝕んでいた。
いわゆる『溜まる』というヤツである。
そう、祐一は今オナニーの真っ最中だった。
スズメのさえずる声が鳴り響き、朝日が部屋の中を陽光で染めるさわやかな朝。
さわやかな一日の始まり。
だが祐一は止める事が出来なかった。
真琴への想い。そして真琴を失った憤りが祐一の右手に更なる動きを要求する。
「ハッ!ハッ!ハッ! 真琴…! 真琴…!」
その光景を物陰で見ている人影があった。
名雪だ。
真琴がいなくなりこれで祐一を一人占め出来ると思った矢先、しかしながら祐一は名雪
の事を見ようとはしない。
祐一の心は永遠に囚われの身。
「祐一…私どうしたらいいのか解らないよ…」
名雪も出来る限りの事はした。
わざとバスタオル一枚で廊下をうろついた。
祐一が部屋に居るのを見計らって自室でオナニーに耽った事もある。
しかし、祐一は何も反応しない。
あの女は。あのいきなり転がり込んで来た忌々しい女狐は名雪の一番大事なモノを奪って
姿を消した。
それが許せない。
それが悔しい。
「……ッ!」
名雪は意を決して祐一の部屋に踊り込んだ。
「ウヲッ!ヲッ!ヲッ!真琴…真琴〜〜〜〜〜〜ッ!!!」
名雪が部屋に踊り込んだタイミングとほぼ同時に祐一は絶頂に達した。
白濁とした新鮮な精液が布団に、枕に、そして飛び込んで来た名雪にも降り掛かった。
「きゃっ!」
名雪は突然の出来事に小さい叫び声を上げる。
その声に反応して、祐一が名雪の方に首を向ける。
「祐一…」
正常な状況ならば祐一も慌てふためき布団か何かで自分のモノを隠すところだろう。
だが今の祐一は違った。
突然入ってきた名雪をボーと眺めている。
明らかに今までと違う日常。
だが、こんな状況にも関わらず名雪は少なからずホッとした。
まだ私に反応する。
まだ私に関心を持ってる。
「………」
しかしその認識は甘かったとその直後痛感させられる。
どろりとした瞳。
半開きになった口。
そのどれもが『名雪』という一人の人間に向けられたものではなかった。
恐らくこの場に居るのが犬や猫でも同じ反応を示した事だろう。
「…………ククッ…」
そして視線を戻した後、祐一はまた同じ事を始める。
シュッシュッ… シュッシュッ…
祐一の表情が除々に恍惚としてくる。
「…真琴…、…真琴…」
名雪はその光景を見て真琴を心底憎んだ。
が、それと同時に祐一の心をこちらに向けさせる手段がただ一つだけ有る事にも気付く。
それは非常の手段。禁断の領域。
だが祐一の心をこちらに向けさせるのはこれしか方法がなかった。
上手くいくかは解らない、だがやるしかない。
名雪は意を決して一つの言葉をその口から紡ぎ出す。
「…あうー…」
部屋の空気が止まったような気がした。
祐一の手も止まっている。何かを見据えたような瞳。震える身体。
祐一は恐る恐るその声が発せられた方に首を曲げる。
「…祐一。私だよ、私。真琴だよ」
名雪の心に楔が打ち込まれる。一言発する度に切り刻まれる心。
だがやるしかない。
名雪にはこの選択肢しか残されていないのだから。
「真琴…なのか…?」
祐一は瞳をうるませながらこちらに近づいて来る。
一歩…二歩…。
その度に名雪は心の中で祐一に訴える。
(ホントは私なんだよ…、名雪なんだよ…、あなたのいとこの幼馴染なんだよ…、…ど
うして…どうして気付かないの…?)
しかし祐一自身が名雪に関心を向けているのは確かだ。
例えそれがかりそめの姿だったとしても…。
名雪は『真琴』になるしか他に手はないのだから。
「真琴ーーーーーーーーーーーっ!」
「きゃあ!!」
祐一が名雪の身体に飛び込んでくる。
「真琴〜〜〜〜っ!お前どこに行ってたんだよ〜〜。心配…心配したんだぞぅ!」
祐一がこれ以上ないほどの喜びに打ち震えている。
真琴はこれほどまでに祐一に愛されているのか?
真琴に対する怒りがずんずん込み上げてくる。
だが今の名雪は『真琴』なのだ。
その相反する答えに名雪の心は引き裂かれそうになる。
「ちょっと友達のところに行って来ただけなの。心配かけてゴメンね祐一」
名雪は努めて冷静に『真琴』を演じる。
そして皮肉な事に祐一はその『真琴』を信じきっている。
「ばぁかっ…!お前…俺がどれだけ心配したか…」
そう言いながら祐一は『真琴』の唇を奪う。
「うぅ…!?」
名雪はくぐもった声を発する。
愛しい人のキス。夢にまで見た祐一との初めての口付け。
なのにどうしてこんなに空しいのだろう。
どうしてこんなに悲しいのだろう。
「なあ…真琴…いいだろ…?」
そう言って祐一は名雪の身体をまさぐり始める。
「俺もう…我慢できないんだよ…お前の事をどんだけ想っていたのか…
お前がいないとどれだけ寂しいのか…解った…解ったんだよ…」
名雪の心を切り裂く言葉という名の凶器。
だが祐一は名雪のそんな心に全く気付く事なく上着をずり上げる。
名雪の形の良い胸が露になる。
「…!」
覚悟はしていたがいざこんな状況になると恥ずかしさが顔に出る。
でも名雪は『真琴』なのだ。
真琴ならこんな時どんな反応を示すのだろうか?
どんな言葉を発するのだろうか?
「あう〜…、祐一恥ずかしいよ…」
名雪は精一杯の心で真琴の言葉を紡ぎ出す。
「可愛いぜ…真琴…」
祐一が名雪の乳首に吸いつく。
「あっ…!」
敏感な部分を刺激され名雪の身体がビクッっと跳ね上がる。
(やだ…こんな状況で…感じたりなんかしたら…)
そんな名雪の心など露知らず、祐一はあらゆる手段を用いて名雪の身体を攻める。
胸…、乳首…、そして大事な部分…。
性的に未発達な名雪は祐一の思うがままだった。
(どうして…感じちゃうの…どうして…こんなに祐一は上手いの…?)
その答えは一つだった。
真琴がいたから。
真琴がいたから祐一は女の扱いに長けているんだ。
真琴がいたからこんなにもセックスに慣れているんだ。
そう解った時、名雪の心に巨大な痕がまた一つ刻まれる。
祐一のテクニックは苛烈を極める。
名雪の感じる部分を時にはやさしく、そして時には激しく愛撫する。
「いやッ!アッアッ…!あうッ!」
声を押さえようとするがどうにもならない。
(このままじゃ私…私…)
喘いでいる名雪の姿を見て、祐一は愛しそうにキスする。
その甘く濃厚なキスが名雪の脳神経を麻痺させる。
祐一に触られている内に名雪は自分自身の心が解らなくなって来ていた。
(はたして…私は今『幸せ』なのだろうか?)
祐一が見ているのは『私』ではない。
それは認めざる負えない。
でも、現実問題として愛してくれているのは私の身体そのものである。
ならばそれでもいいのではないのだろうか?
一生、私が真琴になってさえいれば祐一はいつも笑ってくれる。
いつも愛してくれる。
(私は…祐一が笑ってさえくれれば…それでいいんだよ…)
心の中で名雪はそう呟く。
ふと見上げると祐一の手がショーツに掛かる。
もう反抗する力は残っていなかった。
するすると足から抜かれていくショーツ。
股間の部分はねっとりとした液で糸を引いていた。
「そろそろ…いいだろ真琴…」
指を名雪のあそこに抽出しながら祐一はそう呟く。
名雪の身体は祐一の巧みな攻めにすっかり反応しきっていた。
乳首はビンビンに固くなり、あそこからは恥ずかしい液体がとめどもなく流れ出ていた。
「はあっ…はあっ… はあっ…はあっ…」
既に今の名雪は夢の中に漂うクラゲみたいなものだった。
ただ祐一の好きなように。祐一の言葉通りに従うしか術がなかった。
「う…ん…」
そう言って名雪は自らの意志で股間を広げる。
恥ずかしかった。
だがそれ以上に身体が疼いて仕方がない。
祐一が欲しかった、祐一のアレをあそこに入れて欲しかった。
(私は…私は真琴でもいいの…もういいの…祐一が…祐一がそばで笑ってくれるだけで
私は…)
その魅惑的な格好に祐一の理性が弾け飛ぶ。
「行くぜ…真琴…」
自分のモノを名雪のあそこにあてがい一気に突き入れる。
「……!!」
処女喪失の瞬間。
それは想像以上に痛みが伴う事だった。
破瓜の血がシーツに舞う。祐一の腕にも血が舞散る。
その瞬間。祐一の瞳が禍禍しいモノに変わる。
名雪に気付かれる事なく。
「祐一…もっと…やさしく…きゃうっ!」
その言葉を無視して祐一はこれまでにない抽出を繰り返す。
奥に、奥に、更に奥に。
「いやっ!はっ!駄目っ!祐一…!」
ペニスが子宮に当たっても気にする事なく祐一の抽出は続く。
まるで何かに取り付かれた様に、まるで名雪を壊すかのように。
さっきまでのやさしさは微塵もなかった。
まるで人が変わったように祐一は腰を動かす。
そして名雪も今初めて気付く。祐一の様子がおかしい事を。
祐一の形相が激しく変わっている事を。
そして呟く。
「どんな気分だ… 『名雪』?」
「祐…いち…?」
「どんな気分かって聞いてるんだよっ!!」
ずんっ!!
「ひぎぃっ!!」
祐一がこれまでにないくらい激しく腰を突き入れる。
「人の心を弄びやがって…許さねえぞ…絶対に許さねえぞ名雪!!」
そう言いつつ正拳で名雪の顔を打ち据える。
「きゃあっ!!」
口の中が切れ、血の味が広がっていく。
「ど…どうし…て?」
名雪には解らなかった。
何故突然気付いたのか?何か間違った事を言っただろうか?
名雪の頭の中で様々な考えが飛び交う。
真琴、私、祐一、セックス、シーツ、赤…。
その時口の中の血が何かと結び付く。
血、血、破瓜の血、破瓜、処女…。
そして気付く。
真琴が『処女』でない事に。
真琴ならば、真琴ならば『破瓜の血』など出る訳がない事に。
「あ…ああ…」
「ようやく気付いたようだな…全く人の心に付け入りやがって…このメス豚があっ!」
バキッ!ドカッ!ズガッ!!
「いやッ!やめッ!ぐヒぃッ!!」
「その捻じ曲がった根性を叩き直してやる!!反省しろッ!!」
祐一の鉄拳が名雪の顔に襲い掛かる。
もちろん腰の抽出も忘れない。
名雪は二重の危機にさらされていた。
「や…めて…ゆう・・・い・ち・・」
「とどめだ!」
ベキィ!!
「ぎゃう!」
祐一の力を込めた一撃が名雪の鼻に襲い掛かる。
その端整な顔はズタズタになり見る影もなかった。
「こっちもくらいやがれっ!!」
どぴゅっ!どぴゅっ!どぴゅっ!!
「ああああああああああああああ〜〜〜〜〜〜〜!!」
絶望におののきながら名雪は叫び声をあげる。
「ゆうい…ち… 私は…わたしは…」
「黙れ!このゴミがッ!」
感極まった祐一の蹴りが名雪の鳩尾に入る。
「ぎひィッ!!」
胃液を吐き出しながら名雪はその場に崩れ落ちる。
(祐一…何で…何でこんな事をするの…?私じゃ駄目なの…?私だって初めてだったん
だよ…初めてだったのにこんな…そう…そうだ…みんなあいつが悪いんだ…あいつが祐
一の前に現れたのがいけないんだ…やさしくするんじゃなかった…最初から追い出して
いれば良かった…お母さんがあんな事いうから…お母さんがかばうから…憎い…お母さ
んも憎い…真琴はもっと憎い…憎い…憎い…)
グキッ!
その瞬間、名雪の意識がこの世から消える。
祐一の手によって首の角度が180度曲げられていた。
名雪の想いは何処かに届くのだろうか?
もし届いたとしたら、それは真琴の元なのだろうか?
そしてその時二人はどうなるのだろうか?
それは誰にも解らない。誰にも。
「はあ〜〜〜あぁ、手間かけさせやがって」
そして祐一はまた始める。
自慰を。
いや真琴との愛の抱擁を。
その心の中で。その幸せに満ちた世界の中心で。
「はあッ!はあッ!はあッ!真琴!真琴!」
どぴゅッ!どぴゅどぴゅどぴゅッ!
祐一の想いを込めた白濁液が朝日を浴びながら部屋の中を舞う。
名雪の身体に、朝日に照らされた名雪の身体に降り掛かる。
スズメのさえずる声が響き渡り、登校途中の子供達の声が聞こえる。
そんなさわやかな朝焼けの中。
一つの愛が想いを遂げた。 (完)
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